肋骨骨折って良く来ますよね。種子島ではCommon diseaseでした。
個人的には超音波よりもCTを撮ってました。世の中的には超音波で探すことが流行っていますが、当院には腕のいい放射線技師さんがいるため3D再構成までやってくださり、イージーにお願いしてしまっていました。CTだとごく小さい気胸・血胸も一目瞭然ですしね。レントゲン・超音波ではそこまではよく分からないでしょう。
痛みに対してはNSAIDsとアセトアミノフェン両方を処方していました。ただ、バキバキに折れている肋骨骨折では明らかに非力でしょう。そんな時は肋間神経ブロックがいいと考えます。
やり方は簡単で、超音波ガイド下に行います。骨折部位よりも中枢側で短軸方向に肋骨を描出します。描出しながら針を刺して局所麻酔薬を注入するのですが、壁側胸膜の下降(pleural depression)が重要です。肋間筋内に注入してもあまり効かないらしく、胸膜の下降があると肋骨の下の肋間神経まで効くとか。針は25G38mmを愛用していました。局所麻酔薬は0.75%アナペインを一肋間5mlくらい。肋骨の下を狙わなくてもいいというのがキモです。
胸部傍脊椎ブロック(TPVB: thoracic paravertebral block)も同じ原理なのですが、これは麻酔科ワールドかもしれません。