製品名 | ステロイド | 大腸菌死菌浮遊液 | フラジオマイシン・エスクロシド | トリベノシド |
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ネリザ軟膏 | Very strong(1wまで) | - | - | - |
強力ポステリザン軟膏 | Weak | + | - | - |
プロクトセディル軟膏 | Weak | - | + | - |
ボラザG軟膏 | - | - | - | + |
痔の薬を求められることが時折あると思います。使い分けなんて全然知らなかったので、ここにまとめておきます。代表的なネリザ軟膏、強力ポステリザン軟膏、プロクトセディル軟膏、ボラザG軟膏について記載します。以下の文章をざっくりまとめたのが上の表です。
分かりやすい分け方はステロイドの有無でして、Very strongのジフルコルトロンが含有されているのがネリザ軟膏、Weakのヒドロコルチゾンが含有されているのが強力ポステリザン軟膏とプロクトセディル軟膏、ステロイドなしがボラザG軟膏です。ネリザ軟膏のジフルコルトロンはVery strongなので、添付文書には「概ね1週間を目処として使用」と言う注意書きがあるのが特徴です。他の坐薬には使用期間に制限はないようです。ちなみに以前はネリプロクト軟膏というのがありましたが、これは発売中止となり、現在はネリザ軟膏になっています。
大腸菌死菌浮遊液というものが含有されているのが、強力ポステリザン軟膏です。これは大腸菌が死んだ後の「エキス」のようなもので、これを創傷部位に添加すると創傷治癒や肉芽形成が促進されるようです。免疫反応を惹起して白血球の遊走を刺激する的な。詳しくはご自分でお調べください。
フラジオマイシンはアミノグリコシド系の抗生剤、エスクロシドは血管壁の強化及び毛細血管の透過性を低下させる作用があるようです。
ボラザG軟膏はトリベノシドという六炭糖Glucofuranoseの誘導体が入っており、これはまた独自の機序で循環障害改善作用などを持つと記載がありました。ステロイドを使いたくない人にいいかもしれませんね。
ちなみに豆知識ですが、坐薬は英語でSuppositoryと記載するため、坐薬はSPと略します(「ボルタレン(50)SP」とかよく書きますよね)。また、「強力」はヒドロコルチゾンを配合していることから forte(強力)の文字を付したらしく、他の薬よりも強力に効くという意味合いではないようです。
私は強力ポステリザン軟膏とボラザGくらいしか出してないのですが、こんな違いがあるんですね。
(※以前間違った知識を載せていました。2024/11に修正しています。申し訳ありませんでした)