8 CVとブラッドアクセス
急性心不全の除水目的や急性腎不全のK除去目的などでブラッドアクセスを入れることがあると思います。血圧が不安定だったりすると、昇圧剤も入れたくなると思います。そういう時は、ブラッドアクセスと一緒にCVも入れてしまいましょう。
お勧めは右の内頚に二本とも入れてしまうことです。頭側にCVを、尾側にブラッドアクセスを入れます。CVのガイドワイヤーを入れたら、カテを入れる前に引き続いてブラッドアクセスのガイドワイヤーを入れてしまいましょう。
なぜ頭側にCV、尾側にブラッドアクセスなのかと言うと、後日ブラッドアクセスを先に抜去することが多いからです。抜去後の圧迫を考えると尾側にブラッドアクセスがいいですよ。二本間の距離は1cmくらい離せばいいでしょう。
なお、ブラッドアクセスを入れた時は20ccのシリンジで抵抗なく逆血が引けるかテストした方がいいです(通称「びゅんびゅんテスト」)。
クワッドのブラッドアクセスならCVもついていて便利なのですが、透析が不要になったときもブラッドアクセスが残ってしまうのが嫌なので(不要なカテはすぐに抜きたい)、私は二本刺しを好んでいました。
一点だけ気をつけた方がいいのは、今後心臓外科の手術になりそうな人です。例えば、大動脈解離でショック状態の人にCVを入れたくなってしまうと思いますが、こういう人はオペ室でスワンガンツを右内頚から入れるんです。なので、右内頚は空けておきましょう。左からガンツって難しいです。どうしてもCVを入れたい時は左内頚から入れましょう。ERにて右内頚に入れられたCVを見て、手術室で麻酔科医と心臓外科医がため息をついているのを聞いたことがあります。