~頻度は少ないが、失明には要注意~
「マイナーエマージェンシー」は必携!
- 瞼の裏に小さな異物(砂利や洗顔フォームのスクラブなど)
異物が取れそうかどうかの判断が重要。取れそうであれば、ベノキシール点眼で麻酔を行い、眼科外来の顕微鏡を使用して確認します。目は非常に繊細で、小さな異物でも違和感を感じるので、ゴロゴロするなら大体異物があるはずです。患者を仰臥位にしてしっかり確認しましょう。取った後はクラビット点眼を処方します。
- 目のかゆみ
両側の場合:アレルギーが疑われるため、抗ヒスタミン点眼薬(例:ザジテン)を使用します。
片側の場合:感染を疑い、クラビット点眼薬を使用します(0.5%と1.5%がありますが、1.5%を推奨)。ステロイド点眼薬は眼圧を上げる可能性があるため、短期間の使用にとどめることが重要です。
- 眼脂・ものもらい(麦粒腫)・霰粒腫
クラビット1.5%点眼薬を処方し、改善が見られない場合は眼科にコンサルトします。
- ドライアイ
ヒアレイン点眼薬を使用します。
- 結膜下出血
放置で問題ありません。
- 黒内障、一過性の失明
これらは要注意で、即座に眼科にコンサルトが必要です。特に心房細動の患者は注意が必要です。
- 緑内障発作
緑内障発作も要注意です。眼圧を測定するのも良い手段で、外来看護師が対応できることが多いです。眼圧の正常値はその場でGoogle検索などで確認しましょう。疑ったら眼科コンサルトを!
眼科疾患における総合診療医の役割
眼科は専門性が高く、総合診療医が対応できる疾患は限られていますが、失明だけは絶対に見逃したくないという思いを常に持つことが重要です。眼科の先生と良好な関係を築き、コンサルトしやすくしておくことが大切です。また、「マイナーエマージェンシー」は必携の図書です。これさえあればある程度はカバーできるかなと思いますので、絶対に買っておきましょう。離島僻地ですと眼科医を受診するのが大変なので、患者さんが点眼を希望されたら処方してあげましょう。