爪診療各論②

爪下血腫

爪下血腫が発生した場合、ライターで熱したゼムクリップを用いて爪に穴を開ける方法があります。穴が開くと血が流れ出し、患者が痛みを感じるため、貫通したことがすぐに分かります。爪下血腫はCommon diseaseなので、できるようになっておくと良いでしょう。あけた穴に1-0ナイロンを入れてナイロンドレナージをすることも可能ですが、結構患者は痛がるので、やらなくても良いと思います。ゼムクリップの代わりに18Gの針で穴を開ける方法もありますが、針先だけしか穴が開かず、ドレナージ効果が乏しいため、お勧めできません。

爪の剥離

外傷により爪が剥がれることはよくあります。末節骨の骨折をしばしば合併するのでレントゲンを撮っておきましょう。骨折ありなら、開放骨折として扱われることになります。その場合、念のため整形外科へのコンサルトが望ましいです。泥が付着している場合はβラクタマーゼ阻害薬配合の広域ペニシリンを、泥がない場合は第一世代セフェムを投与します。開放骨折がない場合は、シラー法を用いて固定します。爪を甘皮の下に入れて固定することを忘れずに行ってください。シラー法にはいくつかのバリエーションがありますが、爪と皮膚をしっかりと固定することが重要です。ハトキも忘れずに。

高齢者の爪切り

高齢者から「足の爪を切ってほしい」という要望は非常に多いです。高齢者は腰をかがめることが難しく、視力も低下しているため、爪を切るのが困難です。手間がかかりますが、非常に喜ばれます。保険点数は低いですが、爪切りを通じて健康上の問題に介入する良い機会になると考えています。

爪ポスター

外来に「爪に関するポスター」を掲示していたところ、少しずつ患者さんが来るようになりました。ポスターを活用することで、患者さんへのアプローチが広がることを実感しました。

爪に関するポスター

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