四肢外傷
詳しくは顔面外傷での良書をご参照ください。
種子島は農業が盛んなため、鎌や草刈り機で四肢を切ったという方が結構来ました。いずれも結構鋭利なため、筋肉や腱まで切れていることが多いです。その場合は整形外科にお任せする必要があります。また骨傷も合併していることもあります。骨傷有りだと開放骨折と考えてやはり整形外科にお願いしていました。
激しく出血していると(自分が動揺して)観察がおろそかになることがありますが、そういう時こそしっかり観察しましょう。別項で述べたように、冷静になるためにカメラで撮影することをお勧めします。
爪がはがれたという方も結構来ました。爪がはがれると高率に末節骨骨折を合併します。なので、レントゲン撮影を忘れずに。爪の固定の仕方はSchiller法で検索してください。
爪下血腫もちらほら来た感じがします。爪に穴を開けて血腫を出すと痛みが減るというヤツですね。穴の開け方です。私は当初18Gピンク針で空けていたのですが、穴が開いた瞬間に痛みが出現する割には大きな穴が開かないので、ドレナージ効果に乏しいのです。やはり熱したクリップがベストです。ライターであぶって真っ赤になったクリップを爪にジュっと、、、。患者さんも自分も嫌ですが、これが疼痛改善には一番いいです。穴にナイロン糸を入れておいてもいいかもしれませんが、結構痛がりますし、必須ではないかもしれません。
猫咬傷はとても良く来ました。これは別項でまとめておきます(猫咬傷まとめへのリンク)。
No man’s landという言葉があります(リンク)。手掌は専門性が高いので、非専門医の安易な介入を避けるようにと言う言葉ですね。個人的には種子島と言う地理的な問題上、No man’sだとすべて専門医に行きなさいという訳に行かないので、浅いところの異物除去とか縫合だったらやっていました。腱とかには触れないように気をつける必要がありますね。
指尖部の外傷もよく来ますね。DIPよりも遠位の外傷ならば、自然と指が「生えてくる(!)」らしいので、比較的楽観的にとらえてよいらしいです。断端形成なんてしなくても良いようですよ。